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【初心者向け】リスティング広告とは?発注前に覚えておきたい基礎知識を解説

吉岡 佑

佐賀県出身。GMO グループ、アナグラム株式会社などの広告運用専門会社にて大規模広告の運用に従事した後、2021年に当社に参画。

はじめに

リスティング広告とは、検索語句に応じて広告を表示する「検索連動型広告」のことを指すと考えている人も多いかと思いますが、実は「ディスプレイ広告」もリスティング広告の中に含まれます。

しかしながら、日本のメディアでは一般的に「リスティング広告=検索連動型広告」と定義されることが多いです。

2002年にリスティング広告が誕生してから20年以上の歳月が流れました。大企業のみならず中小企業にとっても使いやすく成果も出しやすいので、今やインターネット広告の代名詞的存在になっています。

本記事ではそんなリスティング広告について、基礎中の基礎となる知識を解説していきます。

これから広告運用を始めたい……という方は、是非ご一読ください。

また、リスティング運用ガイドブック|広告発注ドットコムでは、リスティング広告の運用フローについて順を追って詳細に解説しているので、広告運用に興味のある方はこちらもぜひご覧ください。

リスティング広告の特徴

「検索連動型広告」と「ディスプレイ広告」の二種類について、それぞれの特徴を説明します。
リスティング広告とディスプレイ広告の特徴

検索連動型広告の特徴

「検索連動型広告」とは、ユーザーの検索語句に応じて表示される広告です。  

この広告形態の最も大きな特徴としては「既に高いニーズを持っている層にアプローチしやすい」点だといえます。  

検索している、とはすなわち、すでに商品やサービスに一定の興味を持っているユーザーであるということ。  

こうしたニーズ・熱量の高い層にアプローチすることで、不特定多数に宣伝するマス広告よりも費用対効果を高めやすいことが最大の強みであるといえるでしょう。  

ディスプレイ広告の特徴

ディスプレイ広告とは、Webサイトやアプリの広告枠に表示される「画像(動画)+テキスト」形式の広告です。  

同じくインターネットにおける運用型広告の一つですが、こちらは基本的にはターゲティング(=ユーザーの性別や居住地域、興味関心などの属性を指定すること)をベースに、ユーザーの画面に表示されることが一般的です。  

検索に応じて即時的に表示される検索連動型広告とは、表示へのトリガーが異なります。

リスティング広告と比較して、ディスプレイ広告は、ビジュアルでの訴求をもって潜在的なニーズを喚起しやすいものであると言えます。そのため商品やサービスに応じて使い分けを検討するのがコツです。

また配信先はGDN(Googleディスプレイネットワーク)とYDA(Yahoo!ディスプレイ広告 旧名称:YDN)というネットワークに加盟しているサイトになります。
<!-- こちらの記事で解説していますので、是非ご覧ください。-->

コラム:SEOと検索連動型広告の違いは?

SEOとは、Search Engine Optimizationの略称で、「検索エンジン最適化」を意味します。

これはすなわち、特定の検索語句に対して、自社のコンテンツを検索結果の上位に表示させるための施策を指します。  
キーワードを駆使してサイトにアプローチする、という考え方は同じですが、明確な違いはどこにあると言えるのでしょうか。

これは主に、「①即時性」「②誘導の難易度」「③費用」の3つにあると言えます。

以下に、違いをまとめました。 
SEOとリスティングの違い

まず「①即時性」ですが、検索連動型広告はSEOとは違い、広告費さえ払えば物理的に検索結果の上位に表示させることが可能です。つまり、短期間で効果が出やすいと言えます。  

一方で、SEOは自然検索の改善であるため、短期間で劇的な改善が起こることは少なく、効果自体の保証もありません。

次に「②誘導の難易度」にも違いがあります。

例えば期間限定の特設ページに誘導したいという場合があったとします。検索エンジンはコントロールすることができないので、SEOによりこれを達成するのは現実的ではありません。

一方で検索連動型広告であれば、ユーザーの遷移先は簡単に指定でき、変更も容易です。 明確に見てほしい一つのページを、ユーザーに端的に提示することができます。

最後に「③費用」も違いの一つです。

SEO対策は、人件費を別とすれば無料で対応できる施策です。一方リスティング広告は出稿そのものに費用がかかります。

なお、リスティング広告は近年のブラウザ側のチューンナップ・自動化対応により、誰でもある程度は使えるようになってきているのは無視できない事実です。 対してSEOは自動化とは無縁であり、手探りで最適解を探すしかありません。

総じて、運用の負担にも目を向けるべきでしょう。

リスティング広告が使われる理由

ではマーケティングにおいて、多くの人々がリスティング広告を使う理由はなんでしょうか。

以下に、リスティング広告を用いることの代表的なメリットについて解説します。
メリット

リスティング広告のメリット

  1. ダイレクトな費用対効果

    リスティング/ディスプレイ広告はクリックされて初めて費用が発生します。

    つまり、無駄な費用が発生しません。

    また理論上は0円から出稿が可能なので、表示回数やクリック数に応じて予算を調整したり、入札金額を設定することができます。

  2. 高いターゲティング精度

    リスティング広告は、検索語句に応じてキーワードごとに広告を表示させます。

    すなわち、熱が高い状態のユーザーにアプローチできるので、高い費用対効果が期待できます。

    ディスプレイ広告も同様で、ユーザーの関心事に応じて表示すべき広告のコントロールができるため、精度の高いターゲティングが期待できます。

  3. 誰でも出稿可能

    マス広告は広告代理店を通さないと出稿できませんが、リスティング広告は誰でも出稿可能です。これをセルフサーブといいます。

  4. 効果が高い

    商品やサービスを検索しているユーザーに表示されるため、高い成果が期待できます。リスティング広告は、ユーザーが検索したり新たなページに遷移する度ごとに表示されるため反応がリアルタイムです。

  5. PDCAを廻しやすい

    何回広告が表示され、クリックされ、コンバージョン(成約)したか、いくら費用がかかったかなどのデータをリアルタイムで把握できます。
    広告主はその効果を評価しながら、必要に応じてキーワード、広告文、ランディングページ、画像、動画を多様な組み合わせのなかから試すことができます。

    好きなだけA/Bテストを行いながら、最適解を見つけ出すことが可能です。

  6. リマーケティングの活用

    特にディスプレイ広告は、過去に自社のウェブサイトを訪れたユーザーに対して再ターゲティングするための手段としても活用されます。
    ユーザーの興味や行動に基づいて広告をパーソナライズし、再度アプローチすることでコンバージョン率(成約率)を向上させることができます。

  7. 地理的ターゲティング

    リスティング広告は、ユーザーの居住地や位置情報に基づいて広告を表示することができます。地域に特化したキャンペーンを実施したり、特定の地域での需要に合わせた広告を展開することが可能です。

これらが、代表的なリスティング/ディスプレイ広告のメリットです。

総じて、従来のメディアにおけるマス広告と違い、ターゲットに対するアプローチの明確さと、成果が可視化されやすいところに大きな強みがあると言えます。

PDCAを回しながら、成果に対して最適なアプローチを模索していくことが、現代のデジタルマーケティングにおける基本と言えます。

リスティング広告は万能ではない?押さえるべき注意点

Thinking

前章ではリスティング広告のメリットについて説明しましたが、当然それ自体が万能なものではないことに注意しなければいけません。 

以下に、広告運用を検討する際に、事前に必ず確認しておきたい点、考えるべき点を解説します。

必要最低限の準備が整っているか?

リスティング広告をはじめる前に、以下の二つは最低限必要なものです。

  • ランディングページ(LP)、または公式サイト
  • 広告費

予算はさておき、特にLPは用意するハードルが高いと言えます。

クリックをしても、遷移先となるLPが無いのであれば意味がありません。

例えば購入や会員登録の増加、資料請求など、広告出稿には、必ず目的があるといえます。そして、その目的に応じたLPは必ず事前に用意しなければなりません。

また、サイトそのものの出来栄えにも気を配るべきだと言えます。

ユーザーがサイトにいい印象を持たないのであれば、どうしても高い効果は見込めません。

運用体制をどうするか?

リスティング広告は、広告主が自分で運用するのが原則です。しかしながら、そのハードルは高いものだと言えます。

広告を分析しながら、作業を継続する専任スタッフがインハウスにいるのが理想ですが……実際は業務量の兼ね合いから、大きな負荷を強いてしまうと言わざるを得ません。

そのため、必然的にWeb広告代理店への運用委託を検討するという選択肢が浮上することになります。

しかし、その場合においても、社内の人間に広告運用の知識が無いと、代理店との実のあるやりとりに繋がらない可能性が高いです。

総じて現代のリスティング広告運用は、入念な運用体制の準備と、それを整えるための、ある程度の運用の知識が必要になっていると言えます。

なお、当社のサービス「広告発注ドットコム」は、広告運用の状況をヒアリングし、予算に応じて信頼できる代理店とのマッチングを支援するサービスを展開しています。
まずは無料でお気軽にご連絡ください。

そもそも向いている商品、サービス、業種か?

そもそも広告対象が、リスティング広告に適していなければ、効果は期待できません。

詳しくは、こちらの記事をご覧ください。

おわりに

本記事では、リスティングの基礎知識と特徴、メリットとデメリットについて、初心者向けに基礎中の基礎を解説しました。

リスティング広告は、特徴を熟知し、適切なPDCAを回し、最適なユーザーへのアプローチ手法を確立することができれば、マーケティングにおいて非常に大きな効果を上げられることが期待できます。

しかし、そのためには経験や知識が多く求められるのも事実です。

一朝一夕で最適解に到達することは、あまり現実的とは言えません。そのため日々知識をアップデートさせていくことがマーケターには求められます。

リスティング運用ガイドブック|広告発注ドットコムでは、リスティング広告の運用フローについて順を追って詳細に解説しているので、広告運用に興味のある方はこちらもぜひご覧ください。

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