Sunset in the mountains

デジタルマーケティングの理想的な運用を知る

遠藤 結万

早稲田大学卒業後、Google Japanに入社。アジア太平洋地域の広告コンサルティングとデータ分析を担当。退社後にCMO株式会社を設立。経産省「始動 Next Innovator」採択。NHK、英紙「Economist」等取材多数。

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デジタルマーケティングにおけるパートナー(代理店)の必要性を考える

重要なのは「透明性」と「対等さ」

デジタルマーケティング関連の発注に必要なのは、お互いに信頼して委託が出来る関係です。そのために重要なのは、透明性と対等さではないでしょうか。
例えば、広告代理店の中には、実際のアカウントを開示せず、情報をレポートなどで出来るだけ加工して見せようとする会社が少なくありません。そのような状態では、当然、透明な運用とは言えないでしょうし、一緒に打ち手を考えることも難しいでしょう。
お互いに同じ情報を共有してこそ、「3人よれば文殊の知恵」となるのが世の常です。

パートナーとの対等な関係

リソースの問題や知識不足から「パートナーに丸投げ」という状況になると、情報の透明性を失い、双方が適切に評価しあえる関係でなくなることが懸念されます。
思うような成果が得られている状況では問題ないかもしれませんが、成果が伸び悩んだ際やコミュニケーションが噛み合わないなど、ネガティブな状況が重なると、「今のままで本当にいいんだろうか」といった漠然とした不安が生まれるなど、ケースも少なくありません。
明確な役割と責任、透明性、そして効果的なコミュニケーションがパートナーとの対等で効果的な協力関係につながり、パートナーシップを強固にし、目標達成に寄与します。

変化に対応ができる体制

デジタルマーケティングの理想的な運用とは、定量的には当初の「目標」が達成できている状態を示します。しかしながら、最初から理想状態にあることは稀です。仮に目標が達成できていたとしても、常に変化しているため、次の評価タイミングでも同じように目標達成ができるとは限りません。もっといい方法があるはずだと、自問自答でき、パートナーと建設的な議論ができる状態が理想的な体制と言えます。

また、デジタルマーケティングでは、多くのデータを可視化することができるため、定期的なデータ分析とその結果に基づいたアクションを繰り返す必要があります。結果的に目標が達成できている状態でも、マーケティングチャネルごとに評価すると、課題を内包している状態のチャネルが見つかることも少なくありません。

うまくいっていたとしても、各チャネルごとに定期的なパフォーマンスの計測、評価を行います。目標とのギャップ検討だけでなく、A/Bテストの実施、そしてデータに基づいた調整が含まれます。適切な評価と改善のサイクルは、デジタルマーケティング戦略の精度を高め、ビジネスの成長を継続的につながっていきます。

最新テクノロジーやトレンドは、デジタルマーケティングのあり方を急速に変化させている一因であり、AIや機械学習、言語モデル、AR/VRなどの新たな技術を活用することで、より効果的なマーケティング戦略を構築できる可能性もあります。

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パートナーとの共通言語を作る

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