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なぜ運用型広告代行の取引透明化を目指すのか|Web広告代理店業界の課題

遠藤 結万

早稲田大学卒業後、Google Japanに入社。アジア太平洋地域の広告コンサルティングとデータ分析を担当。退社後にCMO株式会社を設立。経産省「始動 Next Innovator」採択。NHK、英紙「Economist」等取材多数。

はじめに

広告発注ドットコムは、運用型広告代行の取引透明化を目指すマッチングサービスです。

そもそも、なぜ私がこのようなサービスを立ち上げたのか。

これはWeb広告代理店業界と顧客の関係性構築には、現状まだ多くの課題があると考えているからです。

では具体的にはどのような課題があるのでしょうか?

そして、いかにわたしたちのサービス「広告発注ドットコム」が現状を解決するのか。

これについて、この記事で説明したいと思います。

なぜ運用型広告を外注するのか

運用型広告とは?

運用型広告とは、Google 広告やYahoo! スポンサードサーチ、Facebook 広告やInstagram広告など、「出稿者が自分で広告を管理し、運用できるタイプのWeb広告」を指します。
代表的な「運用型広告」の例

運用型広告のメリットは、読んで字の如く運用ができること。

一人の会社でも、全て自分で運用して広告を出して、商品を販売することが出来る。運用型広告は、広告代理店が独占していた広告市場を開放した、非常に革新的な製品でした。

それでも、多くの企業が運用業務を外注するのはなぜでしょうか。

インハウス運用の課題

インハウス(内製化)での運用は多くのリソースを必要とするため、結果として外注に至るケースが多くなります。

インハウスで運用すると、(自動化を行っても)実際はかなりの業務が発生するため、片手間にやっていると、どうしても業務負荷が高くなってしまいます。

社員を採用して運用させようとしても、属人化してしまい、社員が退職した場合にはノウハウが引き継がれず、運用がストップしてしまうことも……。

もちろん、運用型広告業界はアップデートが激しく、自社にノウハウがないと古い常識のまま運用してしまう、という事実も見逃せません。

インハウス運用の課題

非常に小さな予算のスモールビジネスなら問題がないのですが、スケールしていく事業においては、多くの会社が一定程度、運用を外注する決断を行います。

運用型広告代理店の「常識」

広告代理店業界の実情とは?

上述したような経緯のもと、多くの顧客は広告運用にあたり、Web広告代理店との契約を検討します。

しかしながら、広告代理店と契約することが必ずしも運用の成功につながるとは限らないのが実情です。

というのも、「広告代理店」と言っても、その質にはかなりバラつきがあるからです。

知識が古かったり間違っている担当者、ろくに管理されていないキャンペーン、適切に整理されていないKPI……。

私はこれまでデジタルマーケティングのコンサルタントとして、あるいは、創業前は、媒体側であるGoogleの広告担当者として、多数の広告代理店と向き合ってきましたが、その中で、唖然とすることも一度や二度ではありませんでした。

広告代理店の「常識」も、実は問題?

上には悪質な代理店の例を挙げましたが、そもそも、運用型広告代理店において「常識」とされている運用形態にも強く疑問を持ちました。

例えば、「管理画面は開示しない」としている代理店は(一時期よりはフルオープンも増えましたが)まだまだ多数派です。

実際にお金を出しているクライアントに、運用管理画面を開示せずに、レポートだけで報告することは、本当に良い運用を考えれば適切ではありません。

また、「営業担当と運用担当が分離している」事自体は問題はないですが、運用担当がそもそも誰かわからなかったり、営業担当といいつつ、単に元請けで、実態の運用は下請けに丸投げ。「営業担当」と称する会社が手数料を抜いているだけ、というケースも少なくありません。

二次請け、三次請け、管理画面不開示

コミュニケーションもバケツリレーになりますし、運用担当の顔が見えないことで信頼感も生まれません。当然、社内にノウハウもたまりません。

また、残念ながら成果が出なくなったときも、一定期間運用しているのであればそのアカウントを引き継いだり、他の代理店にリプレースする際にも適切に引き継ぐことは、広告代理店の倫理として必要なのではないでしょうか。

もちろん、素晴らしい仕事をしている運用型広告代理店も多数あるのですが、クライアントに知識がないのを良いことに、不透明な運用をしている企業が少なくないのも事実です。

もちろん、素晴らしい仕事をしている運用型広告代理店も多数あるのですが、クライアントに知識がないのを良いことに、不透明な運用をしている企業が少なくないのも事実です。

いわゆる、「情報の非対称性」が解消しきれていない状態だと言えます。

フリーランスの課題

そのような中、近年増えてきたのはマーケティングを専門とするフリーランスです。運用型広告代理店に所属していた経験がある方や、事業会社で広告を回してきた方など、様々な方がいらっしゃいます。

フリーランスはオープンに伴走支援をしたり、負荷の高まっている業務を切り分けたり、特にスタートアップなど、インハウス的に運用しつつ足りないリソースやノウハウを補いたい企業にとっては非常に重要な役割を果たします。

他方で、広告運用を行う際には、フリーランスではどうしても与信が足りない、運用も一人で回すには負荷が高い…… といったケースもあり、こうしたリスクも考慮しなければなりません。

広告発注ドットコムが解決するもの

これらの課題を解決するためにも、マッチング型のプラットフォームが必要であると私は考え、「広告発注ドットコム」を立ち上げました。

「広告発注ドットコム」は、クライアントの広告運用に関するニーズのヒアリングを行った上で、企業規模に合わせた適切なパートナーを紹介するマッチングプラットフォーム です。

では実際に私たちは何を行っているのでしょうか。具体的なサービスについて説明します。

広告運用の状況についてのアドバイスを行う

広告発注ドットコムは、お客様の広告運用状況についてヒアリングを行い、アドバイスを実施しています。

予算規模やニーズによってはフリーランスが適しているケースも、広告代理店が適しているケースも存在します。それを見極め、広告運用について最適な提案を行います。

最も適した、信頼できるパートナーを選定し、マッチングを行う

お客様の状況をヒアリングしたうえで、最も適した広告代理店パートナーを選定し、マッチングを支援します。

紹介する広告代理店は 「①管理画面フルオープン」「②運用者を開示する」 の2つを条件にしており、いわゆる丸投げ案件などが発生しない仕組みです。
これにより、信頼できるパートナーとの透明な関係構築が実現します。

「①管理画面フルオープン」「②運用者を開示する」を紹介条件にしており、いわゆる丸投げ案件などが発生しない仕組みです。

運用者と顧客のWIN-WINの関係性が実現できる理由

なお、サービス利用の際に、お客様に追加で費用をいただくことはございません。

運用金額の中から一定の紹介フィー(システム利用料)を請求する形になっており、長期でお付き合いいただけるマッチングを行うことが、弊社の事業成長にも寄与する仕組みです。

広告代理店側にとっても、コンペのように非常に負荷のかかる形ではなく、1:1のマッチングでじっくり話をすることで、無駄に営業リソースをかけることなく運用に集中できるというメリットがあります。

おわりに

運用型広告の既存の「常識」に縛られず、運用型広告の透明で清々しい、適正なパートナーシップを築いていきたい。  
広告発注ドットコムはそんな思いでスタートしました。ぜひご利用ください。

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